設立趣旨書
日本自営無線運用調整支援コンソーシアム(JROCC)
1. 設立の背景
近年、IoT・DX 推進の進展に伴い、自営無線システムの中でも登録局およびライセンス不要局の利用が急速に拡大しています。これらのシステムは、企業や自治体などの現場において、インフラ監視、災害対応、地域通信など多様な用途で活用されています。
一方で、これら無線システムの利用拡大により、同一または隣接周波数帯における運用の重複・干渉リスクが増大しており、特に登録局やライセンス不要局では免許局と異なり、利用周波数運用調整の義務的枠組みが存在しないことが課題となっています。
このような状況の中、周波数資源を公正かつ効率的に活用し、安全で安定した通信環境を維持するためには、ユーザ主体の運用調整支援体制と情報共有基盤の構築が不可欠です。
2. 設立の目的
本コンソーシアムは、登録局およびライセンス不要局を含む自営無線システムの周波数運用調整を支援し、周波数資源の有効利用を促進することを目的として設立します。
本コンソーシアムの英語名称は Japan Radio Operations Coordination Consortium(JROCC)とし、活動を通じて次の事項を推進します。
- 周波数運用調整支援システムの構築・運用・利用促進・普及
- 登録局・ライセンス不要局の運用情報共有と調整プロトコルの標準化
- 周波数資源センシング技術および測定データ活用の推進
- 官民・学術機関・産業界間の連携強化および国内・国際標準化への寄与
3. 活動方針
JROCC は以下の方針に基づき活動を行います。
- ユーザ主導の協調的運用:強制的制度ではなく、利用者の相互協力により運用調整を実現する。
- 透明性のある情報共有:無線局運用情報を標準化した形で共有し、干渉の少ない運用を支援する。
- 実証と実装の両立:研究段階にとどまらず、実運用に資する支援システムを段階的に整備する。
- 制度・技術両面での貢献:関係省庁・標準化団体との協調を通じて、制度的整合性を確保する。
- オープンで持続的な運営:会員・賛助会員・技術協力企業による持続可能な運営体制を構築する。
4. 主な活動内容(初年度計画)
1. 周波数資源センシングの実証・標準化
- VHF-High 帯のシステム等を対象に、実利用環境における周波数利用状況を測定・評価
- 測定手法・データモデルの共通化と標準化提案
2. 周波数運用調整支援システムの設計・試験運用
- ユーザ登録・運用計画・実績管理・干渉リスク可視化を統合する調整支援システムを構築
- パイロット運用を通じて機能検証と利用者フィードバック収集
3. 運用調整ルール・優先度モデルの検討
- 周波数資源利用上の競合・干渉回避ルールの整理
- 自営無線利用者間での調整指針作成
4. 関係機関・団体との連携
- 免許局の周波数運用調整を実施する団体との協調体制構築
- 標準化団体・大学・地方自治体・ベンダ企業との技術協力促進
5. 結び
JROCC は、利用者の自主的・協調的な活動を通じて、「日本における無線資源の有効利用と健全な通信環境の実現」を目指します。周波数数は有限の公共資源であり、その持続的活用のためには、行政・産業界・利用者が一体となった枠組みが必要です。
JROCC はその中心的役割を担うべく、設立に向けた準備を進めていきます。ここにその趣旨を示し、関係各位の賛同を得て設立を目指します。
2025年11月
日本自営無線運用調整支援コンソーシアム(JROCC)
発起人(五十音順)
- 井家上 哲史
- 石原 進
- 小川 将克
- 梶田 宗吾
- 髙井 峰生
- 船田 悟史
- 前田 和則
- 山本 寛